過去に友人に口約束でお金を貸した事があります。少し返済してくれましたが、1年近く返済をしてもらえていません。また、違う友人からは保証人になって欲しいと頼まれており、その時は「いいよ。」と答えたのですが、お金を返してくれない友人の事を思うと、やっぱり保証人になるのはイヤだと思いました。このように口約束だけの借金や保証人の場合、返済義務は発生するのでしょうか?訴える事は可能でしょうか?

口約束で契約になるものと、口約束では契約にならないもの

1つ目の友人にお金を貸したけれども返ってこない件ですが、どの程度のお約束をしたのでしょうか?「毎月、必ず何円ずつ返すから貸して。」と「返せるようになったら返すから貸して。」では対応が大きく変わってくるかと思います。“貸します、返します”だけの口約束の場合、いつ返すのか、何円ずつ返すのかなど決まっていませんし、まだ返済が終わっていなくても文句は言えない部分もあるかと思います。

でも、借金の契約は、口約束であっても契約になります。つまり、友人が「返す。」と言ったなら、返してもらう権利はあります。ですが、その時は「返す。」と言っていても、今になって「借りた覚えはない。」など言うようであれば、契約は成立しません。両者が同意している場合のみ、口約束が成立します。借用書などを書いてもらっておくべきでしたね。

もし、返してもらえないと警察や弁護士に相談したとしても、特に問題になる事はありません。最初は返済をしてくれていたのですよね?最初から返済する気配もなければ、元々返済する意思のない借金という事で、詐欺のような扱いになる可能性もありますが、返済していた事実がある以上、返済する意思はあると判断されてしまいます。刑事事件ではなく、民事事件になるので、警察は何もしてくれません。弁護士も相手に伝えるなどはしてくれるかもしれませんが、大した役には立たないかと思います。友達同士の喧嘩程度な扱いになるでしょう。

友人に連絡が取れないのでしょうか?催促などはイヤかもしれませんが、返済をしてもらうには、何度もしつこくしてでも催促するしかないかと思います。それか、自然に返してもらえるまで待つか、諦めるか。友人の親は関係ないので、親に言っても迷惑なだけかもしれませんが、親に相談して解決する可能性もあるので、試してみても良いかもしれません。1番いいのは、今の残高分だけでも借用書を書かせておく事でしょう。

2つ目の保証人の件ですが、保証人に関しては口約束だけでは契約は無効となります。保証人が必要な場合は、個人同士のやり取りではないですよね?ローン会社や貸金会社などの会社が関わっているかと思います。保証人は友人との契約ではなく、会社との契約になりますので、友人と口約束をしただけでは単なる保証人になる可能性があるだけの話になります。

保証人が記入するべき書面に記入したりしたならば契約が成立しますが、そうでないならば、今からでもお断りしてOKです。保証人は友人が問題なかった場合には名前を貸すだけの役割ですが、何かあれば自分に全てきます。少しでもイヤだと思う気持ちがあるならば、保証人にはならない方が良いでしょう。友人に「保証人になってくれるって言ったでしょ!」と言われても、「ごめんなさい。でも、まだ契約はしてないから。」でOKです。

口約束の借金は返済しないといけない?借用書の有無と法的違い

口約束の借金は返済しないといけないか、という疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。もちろん、口約束でも、約束は約束ですから、返済する義務が発生します。これは様々な局面で言えることですが、口約束の契約も、成立するのです。ただ、借用書なしの借金の場合、裁判での証明が難しいため、返済せずに済ませてしまう方も存在します。

個人間の口約束での借金は、かねてから、人間関係を壊すものとして嫌われていますが、実際にはしばしば、行われています。口約束で借金をして、返済をしないということになると、元々あったはずの人間関係が壊れてしまうということは、実際によくあることです。あなたがもし、お友だちからお金を借りるなら、そのお友だちとの関係のためにも、ぜひとも返済はしたほうが良いです。

そうしないと、どのようなことになるでしょうか。まず、いくつかのケースでは、裁判を起こされます。特に、口約束の場合には、通話時の音声記録、メールでのやり取りのデータ、銀行で振込入金をした場合には、その明細書などが用いられます。証拠となる明白なデータが残っている場合には、原告側が勝訴し、借りた側は、借りたお金の返済と、裁判費用の負担をすることになります。

ただ、少額の貸し借りの場合、わざわざ弁護士を雇って、大掛かりに裁判を行ってしまうと、双方ともにマイナスになるため、貸した側が手を引いてしまうことも、少なくはありません。その場合、借りたほうは、そのままお金を持ち逃げすることができてしまいます。

とはいえ、もし、そのようにあなたがお金を持ち逃げしても、あなたの周囲に人脈を持っている人であれば、周囲の人にその話をすることができますから、孤立化すること、誰からも貸してもらえなくなることなどは、覚悟したほうが良いでしょう。