子供の頃から母に「借金だけはダメ!!」と言われていました。父が酒やギャンブルの為に借金をしていた人で苦労したからだそうです。しかし、私が大人になった最近、父はついに借金と片を付ける為に自己破産を選択しました。この時、私は「借金をしても自己破産をすれば借金がなくなる。」という事を知りました。ならば、私も借金をたくさんしようと思いました。だって破産宣告すればいいんですから。この考え方は間違っているのでしょうか?

思うようにやってみれば?後悔する事になるかもだけど…

まず、破産宣告って何なんでしょうね。「自己破産します!!」と主張するだけでは自己破産はできませんよ。自己破産するっていうのも奥が深いものであり、破産宣告をして自己破産の手続きを行っても、裁判所が免責をくれない限り、最終的に自己破産はできません。一般的な裁判の有罪や無罪と同じです。裁判で免責が下りるか下りないかの判断が出て初めて結果になります。なので、自己破産できなかったという例も多くある事を知っておきましょう。

あなたのような考え方も理解できます。どんな理由であれ、借金をしたのに返済をしないで済んだ人がいるならば、借金をしないで生活している人や、借金をしてもキチンと完済している人からすれば、羨ましい限りです。また、恨みや妬みも出てくるでしょう。自分も返さなくてよかったのかもしれない、返さなくていいなら借金した方が得。私もそう思いますよ。

ですが、先ほども言ったように、誰でも必ず破産宣告をしたからと言って、免責が下りるわけではありません。特に、あなたのような簡単な考えで、返済するつもりもなく、借金する事に対して何の悪気もなく、どうせ破産すればOKなんて思っているような人に、裁判官が免責を下すでしょうか?本当に借金して破産宣告すれば大丈夫だと思うなら、やってみれば良いです。きっと後悔する事になります。

自己破産というのは、収入が少ない人が生活をするのにお金が足りずに、仕方なく借りるしかないような暮らしをしていたり、病気や怪我などで仕事に付けなくなってしまったり、会社が倒産してしまったり…。どうしても借りなければいけないような理由や使い道で借りて、どうしても返済ができない理由がある人にのみ助け船を出す制度です。

お父様の場合、お酒やギャンブルが原因で借金をしていたようですので、きっと、もっと前に破産宣告をしていたとしても、免責は下りていなかったと思います。きっと、長い間、返済を続けていたのでしょう。また借りて、どうにか返済してという繰り返しだったのかもしれませんが、どうにか返済しようと必死になっていたのではないかと思います。少なくともお母様は苦労していたでしょう。

きっと、もう返済するにはどうしようもない事を理解してくれたんでしょうね。お母様の為にも借金をなくして、再スタートを切れるようにしてくれたのでしょう。破産宣告には弁護士や場合によっては裁判官との面談があったり、反省文を提出したりします。お父様も反省していると通じたのだと思います。だから、今回は自己破産が成立したのでしょう。

あなたのような考え方をしていると、きっと嗜好的な事にばかりお金を使う事になるでしょう。面談の時にも嘘は見抜かれます。余程、上手に演じ切れない限り、免責が下りる事はないでしょうね。借金するのはどうしようもない時だけです。変な事を考えないで、できるだけ借金をしなくて済むように考えを改めてください。

自己破産は破産宣告すればいいのか?借金の免責と破産について

借金で生活が回らなくなってしまった、とても返済が追いつかない、という状況のとき、自己破産というのは、最終手段として用いられます。ただ、多くの人はおそらく、自己破産は「破産宣告すればいい」ものだと思っているかもしれません。実際には、そんなに簡単なものではありません。

自己破産をする場合、まず、破産費用がかかってしまいますので、費用の準備が必要です。手持ち金が1円もないのに破産できるか、というと、これは無理です。ですから、少しでも余裕のあるうちに破産手続きをしてしまう必要があります。

そして、破産宣告をしたとします。ただ、この段階では、借金は消滅しません。なぜなら、あなたはまだ責任を問われるからです。では、何をしなければいけないか、と言いますと、「免責手続き」です。

ただ、免責にも落とし穴があります。たとえば、滞納している国民年金、健康保険、各種税金、罰金等は対象にはならないということです。離婚した方の場合、養育費も免責対象とはなりません。他にも、本来であれば、ギャンブルによる借金など、免責対象外とされているものも存在します。

賠償金や、離婚の慰謝料などは、免責になるかどうかが難しいところです。ただ、ないところからは取れない、という現実もあるため、免責になる場合もあります。税金は分割納付、罰金等は納付時期延期申請などの手続きを取ることになります。

さらに、自己破産をした場合、持ち家や土地があった場合には没収されてしまいますし、車なども、価値があると見なされれば、売られてしまいます。家財道具でさえも、価値がありそうなものはすべて、失うことになります。預金は20万まで、所持金は99万までしか残せません。官報にも、事件として掲載されますし、本当に困ったときの最終手段としては使えますが、やたらに自己破産など、するものではないのです。